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"自分になおる"ためにできること。

とあるセラピストの物語18 すれ違い

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さえみさんを3月に預かって
もう9月

月に2~3回はトレーニングして
施術のレベルはとても気持ちよく受けられるものになりました。

ただ僕としては
アロマセラピーというものに対するニーズ

ただ単純にPAUSEという空間で
アロマセラピーやります!と言っても
お客さまからは選んでもらえないだろうとも思い
彼女だからこそ提供できる価値を作らないとならないと
考えていました。

それと同時に
彼女に積ませたい経験や
取り組んでもらいたい課題がありました。

でも
普段はオフィスで
夜や週末はレストランで
Wワークをする彼女に
僕の課題をクリアする体力はありませんでした。

そういうこともわかっていたので
半年したら会社を辞めて
この世界一本にしなさい
そう言ってましたが

彼女としては
会社を辞めたら
アロマセラピストとして
すぐに活動できると思っていたらしく

チラシやホームページを
早く用意して
開業しましょう!

そんな感じでした。

僕はやはり自分で育てて
お客さまに提供するのであれば
課題をひとつひとつクリアしてから
そんな思いがありましたので
今のままではお客さまに選んでもらえないから
しっかりプランを練ってからやろうと伝えました。

それと彼女は飲食の仕事は辞めたくないのも
わかっていました。

さえみさんにとって
食と美というのはとても大事な要素だったので
僕もそこは譲歩したいとも思っていました。

であれば
もっと食について深めてほしい

だからこそ
食に携わる人たちの思いを聞いてほしい

僕は仕事って
人が何か困っていることや
願っていることがあって
はじめて存在するものだと思うところがあって

悩みや願いをみつけることから
はじまると思っている。

さえみさんもなんだけど
「これがやりたいから」で仕事になることは
よっぽどそれが好きであったり
長けていたりすればそうかもしれないけど
そうやって継続的にできるものって
認知されるまではかなり辛抱しなくてはならない
ものだと思います。

そんな人に僕は
エステサロンやリラクゼーションサロンで
働いてみることが大事だとも思うのです。

「うちの接骨院で働けばいいよ」

給料も出すし
本当の患者さんとのやりとりもできる
やりたければ技術も習得すればいいと思う。

そんな風にも思っていました。

僕はどこまでお人好しなんだか…

でもさえみさんからすれば
彼女はそんなことを望んでいたのではなく
自分で、自分の世界観で
アロマトリートメントがやりたくて
それを仕事にして
お客さまの喜ぶ顔が見たい

そういうイメージだったのです。

僕がもし
ビジネスセンスに長けた経営者なら
別に経験なんて関係なく
ビジネスのしくみの上でスタートさせたかもしれない。

でも僕はたくさんの人の体と取り組みをしてきて

やはり人の体に触れるためには
基本的なことは学んでほしかった。

「まるさんの接骨院の先生にどれだけその基本ができているんですか?」

そう彼女に言われたとき

「できてないよ。だから彼らには治療法を教えたんだ」

そういうしかできなかった。

接骨院のスタッフにも
さえみさんにも
僕が前にいた親会社の人たちにも

「先生の言うことを聞いていたら人がひとり育つまで10年はかかりますよ」

このように似たような言葉を言われる。

僕はそれでも
10年くらいかかって当然だよ
なんて考えているから
それじゃあ、仕事にならないわけです。

でもね
技術が高いとか知識が豊富とか
そういう人にならないといけない
なんて思っているわけでもないんですよ。

やってほしいと思うことは
僕なりに必要だと思っているから
やるようにと言っているわけです。

覚えてほしいこともそう。

できるまで諦めないでほしい。

そういうことなんだ。

「先生は褒めてくれない」

よくこんなことも言われる。

自分ではそんなこともないんだけど
不器用でうまく伝わらない。

僕自身、ここまで
人に褒めてもらってというモチベーションは
あまりなかった

できないことをできるようにしたい
治らない人を治せるようになりたい

そういう気持ちでやってきたから
褒めてほしいという気持ちはわからなくもないけど

求められても困る。

もしかすると
僕は与えすぎて
腐らせるのかもしれない。

本当に人を育てるのって
難しいなって
改めて思う。

つづく。

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